写真の練習

要約すれば、考える前に撮る練習をやったことがあるという話。


 昔、ノーファインダー撮影が上手い知人の影響で、練習したことがあります。
 そのために選んだのが当時コシナから出ていたBESSA-L。選んだ理由は単純で、当時某写真家にかぶれていたせいで「考えるより先に撮る」という事が実践しやすいと思ったため。

 今の至れり尽せりテンコ盛り状態のカメラどころか当時のカメラと比べても不便極まりないシロモノだったのでしばらくの間は失敗の連続だろうと心の準備はしていたつもりだったのですが、ベタ焼きにずらりと並んだダメダメ写真を毎週十枚前後見続けるのはけっこうキツかった。

 かなりメゲながらも意地になって撮り続けたら、なんとかなっちゃいました。
 25mmレンズの深い被写界深度とネガフィルムのラティチュードの広さに助けられたのでしょう。

 

 とりあえずなんとかなったのですが、そこから先が結構大変。

 中途半端なローアングルで盛大に斜めに傾いた写真が多く、みっともないんですよ。

 構図も似たり寄ったりで単調になるし。

 どうせローアングルにするなら、例えば膝上くらいの位置で手首で角度を調整し、太陽を入れるとかビルの反射を入れるとかすればソコソコ印象的な仕上がりになるのですが、そんな都合の良い瞬間にはほとんど出会えない。

 

 収穫は写る範囲がだいたい把握できるようになった事くらいで、欠点は撮る距離が短くなったりコントラストの激しい場所で勘露出を外す事くらいでしたが、車道側に出て撮りたい時や雑踏で俯瞰気味に撮りたい時などは、手を伸ばしてサクッと撮れば済むので重宝しました。

 この経験以降、カメラのスペックや所謂レンズの味などに対する興味は激減し、私にとっての最優先事項は写欲をかきたてるかどうかに変わってしまいました。

 どんなに優れたスペックがあろうと、写欲が湧かなきゃただの飾り物ですし。
 ピントリングを回した時の感触や絞りリングを回した時のクリック感、フィルム巻き上げの感触、これらが良いと「撮るぞ」なんて気になれるので、私にとってはけっこう大事な部分でした。

 そんな訳で、ボディ側で絞りをコントロールするデジカメは嫌い。
 PEN-Fを衝動買いした時、この理由で「あ、大失敗」なんて思ったくらいです。

 

 ここまで書いて脈絡も無く思い出した事。

 以前ある人がレンズの蘊蓄を語りだし「長い」と思い始めた頃、突然一緒にいた知人が「レンズの味? 美味しいの?」などと言い放ったことがありました。

 彼自身は後期型スーパーアンギュロンをメインに使っていたくせに「所詮道具」などと自嘲気味に言っていて、若干エキセントリックな部分がある人でした。

 撮るのはストリートスナップをメインにしていましたが、ファインダーを見て撮ったキャンディッドフォトが多かった事もありやたらと緊張感が伝わってくる写真が多く、この人の写真に比べたら自分の写真はストリートスナップごっこだなと思った記憶があります。

 自分を追い込んだり神経をすり減らすような撮り方をしないと撮れない写真は、確かにあると思います。


 それはさておき、雑踏スナップをしなくなってかなりの時間が経っているので、勘はそうとう鈍っているはずです。尤も、今住んでいるところでは繁華街に行っても閑古鳥の集団しかいないので、使う意味はないですけど。


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昔、ノーファインダーでマトモに撮れたスナップ写真。
最近のカメラには手振れ補正が付いているので、この程度なら簡単に撮れるでしょうね。


1. すぐ後ろに人がいたので歩きながら撮った写真。

 

2. 母子像!と思ったのと、光がいい感じだったので勘露出で撮った写真。

 

 

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